南米エクアドル グアヤキルの空港で呼び出され地下室に連行された

南米エクアドル グアヤキルの空港で呼び出され地下室に連行された

よく刑事ドラマで見かける取調室のシーン。
定番のかつ丼登場の流れで「こんな美味しそうなもの食べられるなんていいなぁ」と取り調べられたい願望を子どもの頃抱えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際はこのお部屋とは縁遠い生活を送る方がほとんどですよね。
私もその中の一人です。

なのに、まさかこんなことになるなんて…

それは初めてのガラパゴス渡航の帰り道

念願のガラパゴス諸島訪問を達成し最愛のバットフィッシュにも会うことができ、幸せいっぱい胸いっぱいでガラパゴスを後にした私。
帰国までの乗り継ぎルートは

ガラパゴス諸島→グアヤキル(エクアドル)→マイアミ→シカゴ→成田

というものでした。

グアヤキルの空港、国際線チェックインカウンター

グアヤキルの空港、国際線チェックインカウンター

ガラパゴスを発ちグアヤキルに到着後、国際線のチェックインや出国手続きを難なく終えあとは飛行機に乗るのを待つだけ!となりました。
初めての一人海外、出発前は不安だらけだったが何事もなく順調な旅になって本当に良かった。
お世話になったエクアドルという国とももうお別れだなぁ…寂しいなぁ…と余韻に浸っていたら

「セニョリータ・アキーコ、○番窓口までお越しください。」

と、私の名前が空港内で放送されたではないですか。
あれあれ、もう飛行機に乗り込む時間なのだけど。
空港で呼び出されるなんて初めての経験だったので、緊張しながら指定された窓口に到着すると、優しそうな女性職員が私を待っていました。
物腰の柔らかそうな彼女を見て少しホッとし、

「私が今呼び出されたアキコですが…」

と名乗ると、彼女は微笑み
「OK、こちらへ着いてきてください。」
と先導して下さったのでそのままフロアの奥の方に歩いていくと、
そこで屈強そうな強面の男性警備員2人に私は引き渡されました。

あ、あれ…と振り返ると物腰柔らかな女性職員はもうスタスタと去って行ってしまいました。
動揺していると男性警備員たちは
「危険物持ち込みの容疑がある。こちらへ来なさい。」
と私を両側から挟む形で連れていきました。

スタッフ専用のような扉を通り、そこから更に奥の扉を抜けた先にある階段を下ってゆきました。
危険物持ち込み?私が?
脳内でクエスチョンマークの嵐が吹き荒れていました。

そこは、まるでドラマの取り調べ室…

連れていかれたのは地下室でした。
扉を開けると、部屋の中央のテーブルに私のスーツケースが置かれていました。

「わあ、取調室みたい!ドラマで見たやつだ!」
と心の中で少しだけテンションが上がっていると、私を連行した二人の警備員は厳しい顔で私の正面に立ちました。
「…あ、この空気かつ丼は出てこないな。」
と悟った私。
(というかそもそもここエクアドルなのでかつ丼が出てくるわけがない)

「このスーツケースを開けなさい。」

と指示され、言われるがままに開きました。
すると警備員たちはその中からひとつを取り上げ
「これはなんだ」
と強い声で私を見つめて尋ねました。

ラックス・ボディソープ フローラルタッチ~優雅なヨーロピアンバイオレット・パチュリの香り~でした。

ここで私は少し納得がいきました。
私が乗る飛行機はマイアミ、つまりアメリカ行き。
そして日付は9月10日。
特別警戒されていても不思議ではないタイミングだったのです。

私はこのガラパゴス旅行中、日本から持参したこのボディーソープを使いきれなかったので持ち帰ろうとスーツケースに入れていました。
それが、怪しい液体と判断されたようでした。

それは液体せっけんです。体を洗うやつです。
と釈明するも、時期が時期ですから怪しまれて信用していただけません。

困った、もうあと15分もすれば飛行機の出発時刻。
この飛行機を逃すと、マイアミ以降2回の乗り継ぎも総崩れしてしまう。
初めてのひとり海外旅の私はそんな振り替え手続きをどうすればいいのかなんて分からない。

なんとかここで素早く疑いを晴らさなければ!

私は思いついた

ここでどんなにせっけんだ豊かに泡立つんだと言い続けたところで、状況は変化しません。
そこで私はこう言うことにしました。

「疑うのであれば、どうぞボトルを明けて中身を見てみてください!」

切迫した私の声に、警備員の一人が私の様子を見ながらもゆっくりとボトルの口をひねりました。
そしてそーっと覗き込むように顔を近づけると


「Oh…フローラル…(*^_^*)」

うっとりしてるんじゃないよ!
しかしこのお陰で本当にこれがボディソープであると信用していただくことができました。

この瞬間、強面だった二人の男性警備員は一気に私に対する警戒を緩め、笑顔で私のスーツケースの片付けを手伝いながら
「ガラパゴス楽しかった?ゾウガメ見られた?」
「1人で日本から来るの大変だったでしょう~」
と超雑談。

もう飛行機が出ちゃうので、と急いで部屋を去っていく私を二人は

「気をつけて!またエクアドルに来てね~」

と手を振りながら最高の笑顔で送り出してくださいました。

なんとか飛行機にすべり込むと、既に全員が着席済みで静かだった乗客全員が私に注目。
汗だくでゼーハー言いながら座席まで歩く謎のモンゴロイドの様子は高視聴率を集めることとなったのです。

9月にアメリカ経由で帰国される皆様、スーツケースで液体を運ぶ際はこのようなこともあるのでご注意ください。
こういう時のために、液体は露骨に良い香りのものを選んでおいた方が疑いが晴れやすいかもしれませんよ!


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演を行っている。