ガラパゴス諸島というと、「常夏!熱帯!」というイメージはありませんか?
私もガラパゴス諸島生活を終えて帰国した際、沢山の方に「あちらは毎日猛暑で大変だったでしょう」と労っていただきました。
実際のところ、ガラパゴスの季節・気候はどのようなものなのでしょうか?
ガラパゴス諸島にはふたつの季節がある
赤道下のガラパゴス諸島の1年は2つの季節に分けられます。
6月~11月の雨期(ウエットシーズン)と12月~5月の乾季(ドライシーズン)です。
(12月と5月は季節の移行期なので、年によって気候が雨期のようにも乾季のようにも変わります)
雨期と乾季では気温も変化があるため、常夏のイメージがあるガラパゴスですが年間通しての平均気温は23~24℃ほどと意外と過ごしやすい。
雨期(ウエットシーズン)
この季節はガルーアと呼ばれる霧が発生し、曇りがちで気温も低めです。
ウエットシーズンと呼ばれますが雨らしい雨は降らず、ミストや霧雨のようなものが降ります。
特に最も気温の冷える8月9月は最高気温でも24℃ほど、最低気温は19度ほどと涼しいので、早朝や夜は厚手のパーカーといった上着がないと肌寒いです。
このシーズンは半袖だけ用意して訪れた人が、朝晩に「ガラパゴスがこんなに冷えるなんて」とガタガタ震えているのをよく見かけます。
スピードボート乗船時など風にさらされる時は、ウルトラライトダウンを着てちょうどいいと感じたほどでした。
海水温も16~22℃程度しかないので、マリンアクティビティの際はウエットスーツの下に着るインナーを用意するといいですよ。
6~7月は特に、アオアシカツオドリやグンカンドリの求愛行動が見られる時期です。
海水温の最も低い8月~9月はガラパゴスペンギンの観察にも適しています。
乾季(ドライシーズン)
晴天が続いて暑く、スコールのような雨が1日1回は降ります。
紫外線が強烈なのでこの季節は特に日焼けに注意してください、赤道下の紫外線をなめると大変な目にあいます…2~3時間に1度は日焼け止めを塗り直さないとすぐに焼けてしまいます。
最も暑いのは2月3月ですが、最高気温でも30℃と日本の真夏と比べると猛暑ではありません。
海水温も25℃ほどと温かいので、マリンアクティビティも快適な時期です。
この季節は1日中半袖で過ごせます。
また、フィンチやキイロアメリカムシクイといった小鳥たちの繁殖期にあたるので、特に2月3月は街中で親子の姿や巣だったばかりの幼鳥が見られます。
しかし例外もある…
上記はあくまで通常の気候です。
近年は世界各地で異常気象が発生しています。
ガラパゴスでも同様で、私が住んでいた頃
「ドライシーズンなのに最近全然雨(スコール)が降らないぞ!」
「ウエットシーズンなのにガルーア(霧雨)じゃなくてめちゃくちゃ土砂降りじゃないか!」
といったことが起こりました。
こういった天候の突然の変化に「迷惑だなあ」と感じるのはきっと私たち人間だけではなくて、生き物たちもそうなのですよね。
ドライシーズンはスコールが降ることを動物たちも把握していますから、そろそろ来るな…というタイミングで雨がしのげる位置にそれとなく移動したりしています。
しかし、スコールが降らないはずのウエットシーズンにそれが起こってしまうと。
それは8月のウエットシーズンど真ん中のある日。
突然パラパラ…と雨が降り始めたかと思いきや、あっという間にザーザーと降り始めました。
私は急いで最寄の屋根の下にかけこみ難を逃れました。
3分ほど待つとすぐに雨は止んだので、今のは一体なんだったのか…不思議だなぁと思いながら歩き出すと、がさっ…と何かが足元で動きました。
スコールから逃げ遅れたウミイグアナの跡。
降るはずのない突然のスコールにウミイグアナもびっくりしたのか動けなかったようです。
この場で耐えながら雨に打たれていたのですね…。
止んでからやっと移動できたようです、なんて不憫な子!
遠慮せずに一緒に同じ屋根の下に来れば良かったのに…私だけごめんね、ウミイグアナ。
と少し申し訳ない気持ちになったのでした…。
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