ガラパゴス諸島の忍者!?

ガラパゴス諸島の忍者!?

海外あるあるなのかもしれませんが、自分が日本人だと告げると「Oh, ニンジャ!」と言われることがよくあります。
それはガラパゴス諸島でも同様。

ガラパゴスを含むエクアドルでは日本のアニメが数多くテレビで放送されていることもあり、たまに「忍者文化だからこそ生み出せるトルトゥーガ・ニンジャ(=忍者タートルズ)面白いよね、子どもの頃よく見てた!」と言われ、そのアニメを見たことがない私は適当にありがとう!と返事してしまいましたが、あれはどうもアメリカのコミックが原作なのですね。
忍者がつくだけで日本のものだと考えられてしまう、この言葉の知名度の高さですよ。

だがしかし、私はガラパゴスで本物の忍者に遭遇してしまったのです…!

ガラパゴスが誇る忍者!?

現地の友人と港近くを一緒に歩いていた時、案の定忍者トークになりました。
「日本人に会ったら聞きたいと思ってた」
と言い出し、まっすぐな目で私を見つめ
「忍者って、本当にいるんだよね?」

きっと多くの外国人がこのように期待をしているのでしょう。
私も子どもの頃そう思っていました。
だけど大人になるうちに悟っていきました。
その存在はもう現代ではファンタジーの域となりつつあること、しかしそのむかーしむかしには実際に活躍して大名などに仕えていたらしいということ…

…という旨を回答として伝えると、
「そっか。じゃあアキコは本物の忍者を見たことがないんだね…」
とがっかりしてしまいました。申し訳ない…。

しかしその直後、
「見て!あそこにガラパゴスの忍者がいる!きっと本物の忍者もあんな感じなんだよね!」
と港の桟橋の方を指さすではありませんか。

あれかな?忍者コスプレしている人でもいるのかな?と思ってその方向を見ると

貼りつく忍者ウミイグアナたち

これは紛れもなく忍者。
忍者ウミイグアナ。

この垂直面に見事に貼り付き、その姿はまるで張り込み中。

忍者ウミイグアナ アップ

ウミイグアナは海に潜って海藻を食べる生活をしています。
その際、流れの激しいガラパゴスの海の中でもしっかり岩につかまっていられるよう、爪が強く鋭く発達しているためこのような忍者行為ができるのですね。
きっと食事を終えて上がってきたところなのでしょう。

この写真の現場にいるのはまだ子ども~若者のウミイグアナたち。
翌日以降もこの場所でよく見かけました。
この桟橋の足元は水深も浅くで波も穏やかなので、潜水ベテランでない彼らがよく利用するスポットのようです。

さて皆様、気付きましたか…?

さきほどの写真には実はウミイグアナ以外の忍者がいます。
もう一度ご覧いただきましょう…ここですよ~!


もうひとりの忍者

さらに拡大!

もうひとりの忍者 アップ

さりげなく紛れ込むガラパゴスベニイワガニ忍者!

こちらのカニ、以前ブログでもご紹介いたしました♪

茹でてないのに赤いカニ!ガラパゴスベニイワガニとは?

彼らは「カニと言えば横歩き」の常識を覆す、前後左右歩行機能搭載のハイスペック。
しかしそれのみならず、大型ボディながらこのような垂直の壁も歩けてしまうのです!

橋板の側面を歩くガラパゴスベニイワガニたち

ご覧ください。
この写真、向きを変えてはいませんよ。
垂直かつ幅が狭い橋板の側面もスタスタと歩ける忍者。
橋板の上を人が通ってバレそうになると、さっと裏側に隠れます。
よく海に落下しませんね!

ああ、ガラパゴス諸島には本当に忍者が存在した…。
私はそう思ったのです。
彼らには手裏剣なんて必要ないのですね。

今日もガラパゴスの忍者たちは、こうして大自然を生き抜いている…。

~このブログの著者の本『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん』(さくら舎)好評発売中!~


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。