これ、イシガキフグじゃないの!?ガラパゴス諸島固有種のフグ

これ、イシガキフグじゃないの!?ガラパゴス諸島固有種のフグ アイキャッチ

ガラパゴス諸島で毎日のように海に潜っている、現地ダイビングガイドたちに人気の魚って何だと思いますか?
そこはやはり「ハンマーヘッドシャーク」「ジンベイザメ」といった大物たちの名が上がるのが定番です。
何千回と潜って見てきても、これらはやはり飽きないのでしょうね。

しかし、その定番以外で「あれは可愛い」と地味~に人気の魚がいるんです。

ガラパゴスの海を知り尽くした彼らを癒す、可愛いその存在の真実に迫ります。

日本人はもしかしたらガッカリするかも?

ガラパゴス諸島でダイビングすると、様々なダイビングポイントで1ダイブにつき1匹くらいは見かけるかな?という、それなりの頻度で出会えるのが今回のお魚。
「その程度の頻度だとせっかく現れても見逃しちゃわない?」
と思うかもしれませんが、大丈夫です。

30~40cmと大きい上に、ぽよぽよのんびりと漂っていることが多いので「あぁっ!光の速さで去っていってしまった!」ということはありえません。

ダイビングガイドたちは、彼らを発見すると必ずと言っていいほど近寄っていって写真を撮ります。
なぜかと聞いてみると、
「近寄ってもそれほど逃げないから」
「いつも笑顔で写真映えするから」
「とにかく可愛いから」
となんだか絶賛するではありませんか。

お待たせ致しました、それがこちらのお魚です!


ガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ

…え、イシガキフグじゃん!日本にもバリバリいるやつじゃん!!

あれ、ここガラパゴスだよね…?まるで伊豆諸島で潜っているかのような錯覚…。
というわけで、日本人ダイバーはこのフグと遭遇してもちょっとがっかりしちゃう方が多いんですよね。

ところでこのイシガキフグ、名前を聞いたことある方も多いかもしれません。
日本国内ほぼ全域に生息するフグで、この愛嬌のあるお顔が可愛いと水族館でも人がよく立ち止まって眺めています。
あのさかなクンさんも、さかなクンハウスでイシガキフグを数匹飼っていることでも有名ですね!

確かに可愛いんですよ。
ご覧ください、大きなお目目に口角の上がった愛嬌のある表情…!

ガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ正面顔

個人的にも好きな魚なので、私の場合ガッカリせずにむしろ「まさかガラパゴスで日本の友に出会えるとは!」と同胞意識で写真を撮りまくりました。

そう、まだその真実を知らないまま…

衝撃の真実を知らされる

ある時、イサべラ島のScuba Dragonというダイビングセンターを初めて利用した時のことです。
ダイビング後にガイドのピエールと今日見た魚の写真を見返していると、イシガキフグの写真が出てきたので
「このイシガキフグ可愛いですよね。日本にもいるんですよ~」
と口にすると、ピエール氏はさらりと

「…そんなわけないよ、これガラパゴスの固有種だよ?」

…えっ?

「いや、このガラパゴスの魚図鑑にもイシガキフグ(spotfin burrfish)って書いてありますよ?」
と食い下がると、

「それさ、ガラパゴスに住んでもいない外国人が作った図鑑だよ?悪いけどその本はところどころ情報が間違ってる。僕はガラパゴスで何十年も生きてきて、ガラパゴス国立公園ガイドの資格だって持ってる。ガラパゴスの生物図鑑だって何冊も作ってきた。さぁ、どっちの言うことを信じる?」

ごめんなさい。もちろんピエールさんを信じます。

「確かにこの魚はイシガキフグと思われてきた。でもきちんと調査したところ、ガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ(Galapagos Blue Porcupinefish)というガラパゴス固有種であることが判明したんだ。いまだにその情報が浸透してないけどね。」

固有種ガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ

ガラパゴス諸島固有種、ガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ!?
ということはですよ、「おお、日本の友よ~!」と言いながら同胞意識を抱いて毎回このフグに接していた自分の立場ですよ。
めちゃくちゃ恥ずかしいですし、このガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュ側も
「ニッポン?ナニソレ、オイシイノー?」
とか本当は思ってたということですよね。
ごめんなさい戸惑わせてしまって。

確かにネットで検索してもこのGalapagos Blue Porcupinefish(学名 Chilomycterus affinis galapagoensis)についてはほとんどヒットしません。
海外ではもちろん、ガラパゴスの中でもこれはイシガキフグと信じられたままなのだそう。

ピエール氏は、このフグが固有種だと判明した調査に携わったのだそうです。
それは思い入れが深いはずですよね。

というわけで日本人ダイバーの皆様。
ガラパゴスでダイビングした際にこのフグに出会っても、「なんだ日本にもいるフグじゃん」とスルーしないでください。

これはガラパゴス固有種です!

「で、イシガキフグと何が違うの?」
という方は、写真だけでは伝わりづらいですから、是非こちらの動画をご覧になってください。
愛嬌ありすぎ!カメラに寄ってきちゃうガラパゴスブルーポーキュパインフィッシュです!

とっても可愛いですね!

ちなみにイシガキフグとどこが違うのかは、動画を見たところで私も全然わかりません。どなたか教えてください。


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演を行っている。