南米エクアドル ガラパゴス諸島のプラスチック事情

南米エクアドル ガラパゴス諸島のプラスチック事情

海に流れ出すプラスチックゴミの衝撃が世界的に波紋を呼び、現在世界各地が対策に乗り出しています。
ニュースを見ていると「EUでは…」「アメリカでは…」とその動きが報道されていますが、「ガラパゴス諸島では…」というニュースは、この日本では残念ながら聞こえてきません。グスン。

世界自然遺産第一号であるガラパゴス諸島のプラスチック事情は一体どうなっているでしょう?
ガラパゴスへ渡航をお考えの方にも役立つ情報も合わせてお話しします!

ガラパゴス諸島、プラスチックの現状。旅行者はどうすると良い?

多くの国や都市が動きに出た今年2018年、ガラパゴス諸島も5月から規制を実施しています。
規制の導入は全ての飲食店や小売店で対象ごとに段階的に行われ、まず最初にプラスチックストローの禁止、その後にレジ袋、ポリエチレン容器、発砲スチロールの禁止と続き、最終段階の今月8月21日には返却・再利用できない飲料ボトルの禁止が導入されました。

「ほげー、そうなんか。お店側は変化に対応するの大変だなあ」とぬぼっと聞いていてはいけませぬ。
これはですよ。利用する側も変化に対応する必要があるのです。
ガラパゴス諸島を訪れる人々はお土産や食品などの買い物のためにエコバッグの持参を忘れてはならないということです!

そして、水筒やタッパーを持参していくのもおすすめです。
水筒はプラスチックうんぬん関係なく、ホテルやホステルによってはフ
リー飲料水(中にはフリーコーヒーやフリー紅茶があるところも!)を設置しているので、水筒があればそこに入れて持ち運べるので出かける際に便利です♪
尚、宿泊施設の部屋の洗面台は小さいことが多いので、水筒が洗いにくいかもしれません。
シャワーを浴びるついでに一緒に洗ってしまうのが一番楽ですよ~!

タッパーは、レストランで持ち帰りの時に活用できます。
ガラパゴスの全ての飲食店はテイクアウト&食べ切れなかった分の持ち帰りに対応しています。
その際、これまではポリエチレン容器が使われていましたがそれが禁止されたため、各レストランで対応策が考えられたことでしょう。
注目すべき例として、プラスチック規制の5月導入時点で、サンタ・クルス島のイタリアンレストランil Giardinoは、持ち帰り容器を持参した利用客に5%割引を行うことを表明しました。
ゴミも減らせてお得に食事ができるなら、タッパー持参するっきゃないですね!

ウミイグアナたち

実は、プラスチック規制の動きは数年前から始まっていた!

今年に入ってプラスチックゴミ問題が世界的に波紋を呼んだため、ガラパゴスも世界の動きに乗じて対策に乗り出したように思えますが、実は3年前、2015年から「ガラパゴスフリープラスチック」構想は生まれ、条例化していました。
(ただ、世界的に問題視されるようになる今年まで、実施は各企業・店舗ごとの「任意」でした。)

そのため、2015年には既にスーパーや市場からレジ袋は消えていました。
島民は皆エコバッグなどを持参して買い物をするのが当たり前となっていました。
スーパーで「エコバッグを忘れた」と告げると、日本だと有料でレジ袋をつけてくれる場合が多いですが、ガラパゴスだと店員が「では、どの袋にしますか」と店内に数種類あるエコバッグを指さします。
こんな言い方だとあれですが、つまり強制的にエコバッグを購入させられるシステムです。
これが5ドル以上はするので、忘れたからとホイホイその度にレジで買うわけにもいかず、結局家にエコバッグを取りに帰る人が多いです。

ちなみにエコバッグは市場には売っていないので、市場で買い物し会計後に「バッグ持ってくるの忘れた!」となると、お店の人は困った挙句「頑張って持って帰って」と手に商品を半ば無理矢理握らせてきます。
こんなご迷惑をお掛けしないよう、エコバッグ持参は必須ですよ~!

ガラパゴス諸島、サンタ・クルス島の市場の一角

ガラパゴス諸島、サンタ・クルス島の市場の一角

エコバッグを忘れた私、こうなってしまった。


サンタ・クルス島在住時のある日、ダーウィン研究所で勤務を終えると私はスーパーに向かいました。
借りていた家は家具・食器完備だったのですが、フライパンが古くて料理をするとくっついてくっついて…新しいフライパンを探し求めていたのです。

色々見比べた挙句、店内にあった一番大きなフライパン(32cmかそれ以上)をレジに運びお会計。
しかしそこでエコバッグを持参し忘れていたことに気付いたのです!
あちゃーと思いながらも、仕事のあとで疲れていた私は自宅に取りに戻ってまたスーパーまで行くのが面倒で、
「すみません、忘れてきたのでエコバッグ買います。このフライパンが入る大きいのください。」
と言うと、レジの方は
「家にエコバッグあるんでしょう?勿体ないわよ、大きいのはそれだけ値段も高いし。このまま持って帰りなさい。」

…え?

こ、このまま?こちらの大型フライパンを?素手で持って帰る?
と戸惑う間もなく、レジの方はフライパンを私に差し出し「気をつけてね♪次の方どうぞー!」と笑顔で見送ってくださっちゃったので、言われるがまま素手で生のフライパンの柄を持って帰宅。

夜道を大型フライパン片手に歩くさまは、遠目から見ると金属バットを引きずって歩くやばい奴。
いや、フライパンでも十分やばいか。凶器ですものね。
幸いなことに、人々が寛容なガラパゴスでは誰も私を笑いませんでしたし、職質もされませんでしたし、何事もなく自然に自宅に帰り着きましたが、帰り道に路地ですれちがったシラガゴイだけはちょっと私をガン見してきましたね。

だから皆様。ガラパゴスではエコバッグの持参をどうか忘れないで~!!

~このブログの著者の本『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん』(さくら舎)好評発売中!~


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。