ガラパゴス諸島のヒール役?グンカンドリ、実は2種類いる。

ガラパゴス諸島のヒール役?グンカンドリ、実は2種類いる。 アイキャッチ

ガラパゴス諸島にいると、大きな黒い鳥が飛んでいるのを日常的に目撃します。

空を飛ぶグンカンドリ

私たち日本人は、黒い鳥とみるとつい「あ、カラスだ」と思ってしまいがちですが、ガラパゴス諸島にカラスはおりません。
この黒い鳥の正体はグンカンドリ。
しばらくガラパゴスに滞在して、見上げればいつも飛んでいるグンカンドリに見慣れてしまうと、帰国したあとカラスが飛んでいるのを見ると「あ、グンカンドリだ」と思ってしまうようになります。
これを本当のガラパゴス化と言います(嘘)。

さて、今こうしてグンカンドリグンカンドリ申し上げているわけですが、実はガラパゴス諸島にグンカンドリは厳密には2種類生息しているってご存知ですか?

そもそもグンカンドリとは?

この鳥は海鳥で魚が主食にも関わらず、羽に撥水性を持たず水に入ることができません。
そこで、ほかの海鳥から獲物を略奪することで生計を立てています。
翼を広げると2m以上にもなり迫力満点。
グンカンドリのグンカンは軍艦に由来していますが、こんな大きくて黒い軍艦が襲ってきたら確かに私でも魚を手放すと思います。

というわけで、ガラパゴス諸島の生物の中でも圧倒的ヒール役感のある存在でございます。
グンカンドリが他の海鳥と獲物を巡って攻防を繰り広げていると、

「逃げろ!アオアシカツオドリ!」
「グンカンドリ、やめろ!」

と、私たち見物人は自然とグンカンドリを敵視してその様子を眺めます。
そう考えると、こういったシチュエーションで誰にも応援されないグンカンドリって不憫ですよね。
水に入れないからこうするしか生きる術がないのに…少し肩入れしてしまいます。

しかし、そんなグンカンドリがものすごく応援されるシチュエーションといえば、かの有名な求愛時!
オスが真っ赤な喉袋を膨らませて、メスにアピールする様子はとてもフォトジェニックでガラパゴスを訪れる人は誰もが見たいと願うほど。
近くを通るメスからはるか上空にいるメスにまで、律儀にアピールする様子は涙ぐましいものがありますよ。

グンカンドリのオスたち

ガラパゴスのグンカンドリは2種、でもわかりづらい!?

ガラパゴスのグンカンドリは、厳密にはアメリカグンカンドリ(Magnificent Frigatebird/固有亜種)とオオグンカンドリ(Great Frigatebird)の2種類。

ではなぜテレビでもネットでも大体「グンカンドリ」としか言われないのかというと、これは私個人の意見ですが正直この2種ものすごく紛らわしいからではないかと…。

大きさも外見もほぼ同じですし、わざわざ毎度「これはアメリカグンカンドリ」「これはオオグンカンドリ」といってしまうと、情報を受け取る側が「え?え?何が違うの?」と逆に混乱してしまうのではないでしょうか。
そういった面でも、まとめてガラパゴス諸島で見られるグンカンドリはもう「グンカンドリ」でひとくくりにする方がきっと平和なのです。

しかし、私のように「いや、2種ともちゃんと知りたいよ」と思う方はきっといらっしゃいますよね?
というわけで、あまり需要はないかもしれないニッチな2種のグンカンドリの見分け方3選をご紹介します!


見分け方① 幼鳥を見る

黒い体色が印象的なグンカンドリですが、実は生まれた時は白い羽毛で覆われています。
成長するにつれて徐々に黒い羽毛に生え変わっていき、最終的に頭部や顔まで黒くなったら成鳥の完成です

アメリカグンカンドリの幼鳥の羽毛は、ひたすら白!

アメリカグンカンドリの幼鳥

それに対し、オオグンカンドリの幼鳥は頭のみが褐色なのが見分けのポイントです。

オオグンカンドリの幼鳥

見分け方② 成鳥のメスの目元を見る

グンカンドリのメスにはオスのような赤い喉袋はなく、胸元が白いのが特徴。
さて、メスで2種を見分けるポイントは目元です。メスはアイラインを確認しましょう!

アメリカグンカンドリのメスは、目元にふちどりカラーはありません。

アメリカグンカンドリのメス

対してオオグンカンドリのメスは、目を赤いアイライナーで囲んだようなふちどりがあります。
この個体はまだ頭部が白く、成鳥になる一歩手前ですが、既に目元がほんのり赤くなってきていますね。

オオグンカンドリのメス

見分け方③ 繁殖期のオスを見る

これが正直一番わかりづらいです。
グンカンドリは黒い羽毛に覆われていますが、繁殖期を迎えたオスのオオグンカンドリは、首のうしろの羽に光が当たるとうっすらグリーンに反射するようになります。

オオグンカンドリのオスたち

ほんのりグリーンがかっているのが分かりますか?
ただこれは光が反射する角度でないとよく見えないので、パッと見で判断できる材料とは呼べません。

…以上3選の結論は、「この2種の違いは分かりづらいし、見分けはなかなか面倒くさい」でございます。

このアメリカグンカンドリとオオグンカンドリの2種が一度に見られるのが、ノース・セイモア島です。
グンカンドリ両種の一大営巣地として知られる島で、クルーズツアーかサンタ・クルス島からの日帰りツアーで行くことができます。

《ノース・セイモア島への日帰りツアーの参加方法や予算などの詳細はこちらの記事にございます!》

ZIP!のガラパゴス生中継で桝アナウンサーの訪れた場所に行くには?

ノース・セイモア島

↑この黒いのみんなグンカンドリです!

ノース・セイモア島はまるで島全体がグンカンドリ間違いさがし大会場状態でございますので、我こそはという猛者はこの島を歩きながら
「あれはアメリカグンカンドリ」
「その隣はオオグンカンドリ」
と当てて楽しんでみてくださいね!


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演を行っている。