ダーウィンフィンチはどこで見られる?

ダーウィンフィンチはどこで見られる? アイキャッチ

生物の教科書にも載っている、進化の象徴ダーウィンフィンチ類。

ガラパゴスを訪れる人々の中には、このダーウィンフィンチが生で見たくて!という方もいらっしゃいます。
そんな知名度の高い鳥ですが、ガラパゴス諸島へ行けば必ず会えるような鳥なのでしょうか?探すコツなどあるのでは?
この記事を読めば、楽しくフィンチが観察できますよ!

ダーウィンフィンチとは?

ひとえにダーウィンフィンチと呼ばれるこの固有種の小鳥、実はガラパゴス諸島に13種も生息しています(※ガラパゴスから北に約800kmの場所にある、コスタリカ領のココ島にも1種生息)

この13種はおおまかに、
木の上で生活し昆虫などを食べる樹上フィンチ
細いクチバシで昆虫のみを食べるムシクイフィンチ
地上で生活し落ちている種子などを食べる地上フィンチ
サボテンで生活しサボテンを食べるサボテンフィンチ
4つの属に分けられます。

これら全ての種がひとつの場所で一同に生息しているわけではなく、諸島全域で見られる種もいれば限られた島にのみ生息している種もあり、つまり島によって生息するフィンチのラインナップは異なるのです。

ダーウィンフィンチ

全てのダーウィンフィンチ類はスズメほどの大きさですが、種を見分けるのはとても難しいです。
「それぞれクチバシに進化の特徴が出ている、それで見分けよ!」とも言われますが、そんなこと言われても似たり寄ったりなんですよホントに。
よほどの専門家でないと外見で見分けるのはまず難しくて頭が痛くなり、そのうち寝込みます。

というわけで私は「ダーウィンフィンチはまとめてダーウィンフィンチだ」というスタンスで以下続けていきたいと思います。

どこで見られる?見つけるコツは?

大変お待たせ致しました。気になるのはここですよね。
まず大前提として、ガラパゴス諸島(とココ島)以外で、ダーウィンフィンチが見られる場所はありません。
日本のどの動物園にも、世界のどの動物園にもおりません。

そして、ガラパゴス諸島の生物は、保全目的や研究含めいかなる理由でも諸島外に持ち出すことは法律で禁止されていますので、今後出回ることもございません。
ダーウィンフィンチが見たければ、ガラパゴス諸島へ行くしかないのでございます。

ではガラパゴスのどこで見られるのか!


答: どこでも

そう、このダーウィンフィンチ類は探すまでもございません。
「ZIP!」や「所さんの目がテン!」で最近ガラパゴス諸島を訪れた桝太一アナウンサーも、ガラパゴスの空港を出た時点で驚きながらおっしゃっていましたね、「電線のスズメばりにいる」と。

「どこでもって言い方はあまりに投げやりで無責任でしょ」
とツッコまれてしまいそうなので、きちんと証拠写真と共にその「どこでも」を解説して参ります。

その1、ありとあらゆる道の上

道の上のダーウィンフィンチ

その2、砂浜で海水浴客と並んでいる!

砂浜のダーウィンフィンチ

その3、「相席、いいですか?」とレストランで向かいのイスにやってくる!

イスの上のフィンチ

その4、相席どころか食卓に上ってくる!距離感というものを知らない!

テーブルの上のフィンチ

それどころか、目を離すとお皿の上にまで乗られます!
ただ、必ず覚えておいて頂きたいのですが、ガラパゴス諸島では野生生物に餌付けをするのは禁止です。
食事中にフィンチがやってきて可愛いからと、絶対にパンくずなどを差し出さないでくださいね。
人間の食事は彼らにとって塩分、糖分、コレステロールなどが高いので、彼らのためにも心を鬼にして餌付けはしないようにしましょう。

その5、オフィスにまで侵入してくる

オフィスに侵入するダーウィンフィンチ

ふと顔を上げるとしれっと侵入していて軽くびびります。
窓や扉を開けているとすぐにお手軽アクセスしてくるのが彼らでございます。

つまり、本当にどこにでもいます。

探そうと思って気合いを入れて捜索にいくような存在ではなく、ガラパゴスに足を踏み入れれば嫌でも視界に入ってくる、非常に身近な存在なのです。

オスとメスの見分けはできる?

13種のダーウィンフィンチのうち、雌雄同じ色で見分けがつかないのも数種いますが、
多くの場合雌雄で色が異なるので見分けは簡単です。

例えば、ガラパゴスでありふれるこのような光景。

群れるダーウィンフィンチ

仲よく大勢いらっしゃいますね。
オスのフィンチは全身が真っ黒で、メスのフィンチはカーキじみた灰色です。
というわけで上の写真の場合、オスは4羽、メスは5羽いるということがわかりますね!

とても身近なダーウィンフィンチ。だからこそ気をつけたいこと

ご覧いただきました通り、フィンチたちはガラパゴスではありふれまくりの超身近な生き物でございます。
私たち人間を恐れることもなくぐいぐい近寄ってきます。
だからこそ私たちが気をつけたいことがあります。

例えば、現地で自転車をレンタルしてサイクリングするとき。
こちらが「あ、フィンチだ。まあ逃げるでしょ」と思っても、彼らは警戒せず逃げ出さないことも多くあります。

進行方向上にダーウィンフィンチを見つけたら、早い段階からチリンチリンと音を鳴らして「危ないよ」と知らせ、それでも動かなければこちらが止まりましょう。
これはガラパゴスの他の生き物でも同様です。
彼らは人間や乗り物に警戒心がないので、これまでも痛ましい事故が起こってきてしまいました。
ガラパゴス諸島では、人間ではなく動物が優先であることを覚えておきましょうね!

そして、もうひとつ。
もしビーチに出掛けてシュノーケリングしよう!と試みたとき。
ちょっとでもあなたが席を外すと…

基地化するダーウィンフィンチ

あなたのシュノーケリング用具は間違いなく彼らに占領されます。

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。