ガラパゴス諸島で一人暮らし。しょっぱなから壮大な洗礼を受けた。

ガラパゴス諸島で一人暮らし。しょっぱなから壮大な洗礼を受けた。 アイキャッチ
まさかの展開で、ガラパゴス諸島チャールズ・ダーウィン研究所に所属できることになったわたくし。

《まさかの展開の全貌はこちらの記事をどうぞ!》

渡航する日取りを決めると、現地の友人が
「じゃあサンタ・クルス島に住むことになるよね?こっちに到着した日から入居できるように、代わりにどこか部屋借りておくね!」
と、親切にも言ってくださったのです!
そのお陰で、私は人生で初めての一人暮らしをガラパゴスで開始することになりました。

が!!

この家で私は猛烈な洗礼を受けることになったのです…人生そんなに甘くない!

そこは素晴らしいアパートだった

友人が探し出して代わりに契約しておいてくれた、サンタ・クルス島のとある住宅地のアパートの一室。
立地はとても静かで良いところなのですが。
入居してみたらば、結構問題が多かった。
近所の風景

近所の風景

まず、内側から鍵がかけられませんの。

ガラパゴスはとても治安が良く、「泥棒はいないから大丈夫!」と言われますが…
このお部屋は鍵をかけないとドアがパッカーンと外へ開いてしまう素晴らしい謎システムなので、さすがに忍びなく。

内側のドアノブにひもを結び、そのひもの反対側を部屋の壁のフック(上着をかける用)に結ぶという原始的な施錠スタイルに至りました。

そして、市場で買ったブドウを食べようと洗っていたらなんだか床が水浸しになってゆく。
シンクの下を確認してみたらば、水道管が折れているどころか連結しているはずの管と管が完全に外れていて、下水床に垂れ流しシステム。
うわ、これは困ったなと思って床を拭いていたら、ドアを叩く音がしました。

こんな時に一体どなたでしょうか。

現れたのは救世主!

ノックに返事はしつつもびしょびしょの床を優先してしまい、5秒後くらいに立ち上がると大家のおばさんと知らないおじさんがもう部屋に入ってきていました。
いとも簡単に原始的施錠スタイルは破られたようです。 

既に侵入されている事実に驚きつつ、そもそもなぜここへ?と思っていると

「部屋!困ってるでしょ、ごめんね~今直すから!」 

とおっしゃるではないですか! 

なんともタイミングが良い!ヒーローのようなご登場! 

すごくないですか、こんな緊急事態を秒で察して駆けつけてくださる大家さん!
ドラマでも都合のよすぎる展開ですよ! 

つまり、横にいらっしゃる見知らぬ作業着の男性は修理の方ということでした。 

「ありがとうございます、ちょうど今困っていたんです!」 

と大家さんにハグしかけると…

驚愕のお言葉が放たれた

感激でテンションが上がった私を見て、大家さんはにっこりと微笑むと

「もう大丈夫よ!部屋の壁のくぼみ、今セメントで埋めるからね(^з^)-☆」

…?( ^o^)

なんですと?

く、くぼみですと?

いやいやいやいや。
そんなことは1mmも困っていないでござる。
むしろ、壁にくぼみがあったなんて今の今まで気付かなかったのでございます。
(よく見たら上の方にげんこつ大のくぼみがありました。)

「それよりこの水道管と、内側からかからない鍵をどうにかしてください」
と声をかけるも、大家のおばさんは壁のことばかり気になってくぼみの下に直行。

「本当に、こっちに困っているんで!床濡れちゃってますでしょ!」
と必死にアピールすると、私の困窮を声色で察した男性が外れた水道管を確認してくださり、緊急性を把握。
修理に取りかかってくださいました。

思わぬ展開に私はこんな顔になっていました。

思わぬ展開に私はこんな顔になっていました。

ハラハラの大修理、そして壁。

もうシンク台ごと取り替えるとのことで、取り外して新しい台を入れるためにおじさんが寸法を測っていたのですが…
明らかに定規ななめっていますし、「まあ○○センチ~くらい!」とかおっしゃっているではないですか。

大丈夫かとハラハラしていたら、壁のチェックに夢中だった大家さんが
「ここの壁白く塗りたいわ!私グアヤキルで塗装屋やってたから腕はいいのよ!」
と言い出し、突然ペンキを塗り始めました。
しかし、正直とても上手いとは言い難い塗装で、荒々しい白さをまとってゆく壁にもハラハラさせられることに。

なんか…なんだか…すごいところに来てしまったなあ…。

到着して早々、ガラパゴス生活をやっていけるか不安を覚えたのでした。

嵐が去って

そしてなんとか2日がかりで水道管修理、一部の壁の塗装、最後に無事に鍵の修理が完了。
あれほどななめった定規で寸法を測っていたにも関わらず、新しいシンク台は見事ジャストサイズでした。
あ、壁のくぼみもしっかり埋めていかれました。

修理は本当に本当にありがたかったのですが…
セメントの欠片ですとか、電動ノコギリで大量に発生した木くずですとか、水道管配置に何度も失敗してスプラッシュしまくった水浸しの床ですとか、全部お土産で置いていって下さったのでその後のお掃除が大変でございました。

この家での暮らしは、ビザ手続きの都合で一旦エクアドル本土に行くことになるまでの約2か月弱続きました。
エピソードに事欠かない素晴らしい生活でした。

このままだと誤解されそうなので断っておきますが、ガラパゴスの家や人全てがこうなわけではありませんよ!

再びガラパゴスに帰ってきたあと、自分で探して契約した家は何一つトラブルも不便もない、大家さんファミリーも大変穏やかで親切な素晴らしいものでしたから。
本当にこの一軒目の住宅はたまたま引きがよくなかった…いや、話題性としては最高によかったのか!?

《ガラパゴス生活にご興味が湧いた方、住んでみたいと思った方はこちらをどうぞ》 

ガラパゴス諸島に移住したい!住む方法は?

《この家に暮らしてからの苦難はまだ続きます。こちら↓のエピソードもどうぞ》

【恐怖】家でまったりしていると、外から突然爆音が聞こえた。

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。