バッ「ド」フィッシュじゃない、バッ「ト」フィッシュなんだ

バッドフィッシュじゃない、バットフィッシュなんだ アイキャッチ

大変ありがたいことに、バットフィッシュと検索してこのブログに訪問してくださる方が多くいらっしゃいます。
これはガラパゴスバットフィッシュ愛好家としては本当に光栄なことであり、今後もこの狂おしいほどに愛おしき生物についての情報や魅力をお伝えしていこうととても励みになっております。
皆様、いつも本当にありがとうございます。

ガラパゴスバットフィッシュです

しかし私は非常に憂いていることがございますの。

結構な数の方が…この魚をバッフィッシュと認識し検索しているという事実…!

あ、あ、あのですね。
このお魚、バッ「ト」フィッシュでございますの。アルファベットで書くとbatfish。
決してバッ「ド」フィッシュ=bad fishではございませんの。
バッドフィッシュと表記された書き込みなどを目にする度に、私の中の口の悪い人格が、
「バッドフィッシュじゃねえよ!こんなにもグッドフィッシュなんだよ!」
と荒れ狂っております。

この魚の名前を間違って覚えないために…そもそもバットフィッシュってどういう意味?由来は?という点を解説して参ります!

バットフィッシュという名前とは?

先ほども申し上げた通り、バットフィッシュはアルファベット表記だとbatfishでございます。
batはバットマンのバット、つまりコウモリのことです。
ということは、バットフィッシュをそのまま直訳して漢字名で表記すると、蝙蝠魚になるということですね。

申し上げ足りないのでこの話またぶり返すんですけど、バッドフィッシュ(bad fish)なわけないんですよ。
まあ確かに、ひどいなってお名前のお魚っていますよね。

ボロカサゴだとか、それでさえひどいのに「偽」までつけられたニセボロカサゴだとか。

でもバッドフィッシュ(bad fish)って、「ワルザカナ」って、あまりにも悪口が直球ですよ。
どうして生き延びていられるの?と心配になるほどぼーーーっとした大人しい魚なのでございますよ?
バッドフィッシュだと思っていた皆様お願いですから全員↓の記事を読んでください。

なぜ、ガラパゴスバットフィッシュがたまらないのか…クセがすごい魅力3選

なぜ名前にバット=コウモリがつくの?

「バッドじゃないのはもう十分わかった、でもなぜバットなの?」
という方、ありがとうございます。

これは、「泳いでいる姿が飛行するコウモリのようだから」ということで名づけられたそうなのです。
まあこの魚、ほとんど泳がないんですけどね。

ではどれくらいコウモリっぽいのか興味がわきませんか?
私が撮影したこちらの動画↓の後半で、ガラパゴスバットフィッシュが泳ぎだしますので是非ご覧ください!

…いかがですか?
いいんですよ皆様、正直なご感想を打ち明けて。
私もおそらく同じ意見ですのでここで述べてしまいますね。

正直あんまり、コウモリじゃなくないですか?

発見して最初に名づけた方の感性が、ちょっと人と違うタイプだったのかもしれません。
バットフィッシュは和名がついておらず日本でもバットフィッシュとして定着しているので、あーだこーだいうつもりはございません。
ただ、「バット…コウモリか!」と期待しながら観察すると、何とも言えなくなることは確実です。

バットフィッシュが泳いでいる時

ちなみに、バットフィッシュとは実はツバメウオという全然別の魚の英名でもあります。
そのため、batfishとアルファベットで検索すると半分くらいツバメウオの方の画像が出てきます。
どちらが先だかはわかりませんが、なんで同じ英名付けたかな。

日本人的には、コウモリというよりあの生物に見える!?

ところで、先ほどの泳いでいるバットフィッシュの動画をご覧になって、皆様どう感じたでしょう?
私は、
「この泳ぎはコウモリというか、カエルが泳いでるみたいかな?」
と思いました。

日本には、ガラパゴスバットフィッシュはじめニシフウリュウウオ属(Ogcocephalus属)に属する種は生息していませんが、もう一段階大きいカテゴリーであるアカグツ科のくくりで一致する魚は生息しています。
その代表格が、アカグツという深海魚。
この魚も胸ビレと腹ビレを手足のように使う泳ぎの不得意な種で、ゆるい泳ぎ方はバットフィッシュと同じ。

英名だとこれもやはりコウモリのつくRed bat fishと呼ばれるそうなのですが、このアカグツという名前の由来は「ヒキガエル(古語でクツ)に似ていて赤いから、アカグツ」という説が有力なのだとか!

日本人にはどことなくカエル感を感じるのかもしれません。
外国人との感覚の違いはネーミングにも表れるのかしら、としみじみ感じます。

しかしそんな感性の違う外国の方から見ても、バッフィッシュってことはございませんのよ!!!

《ガラパゴスバットフィッシュについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ!》 

ABOUT GALAPAGOS BATFISH




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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。