【オリンピック】私がエクアドルのメダル獲得をこんなに祝福している理由【パラリンピック】

【オリンピック】私がエクアドルのメダル獲得をこんなに祝福している理由【パラリンピック】 アイキャッチ

東京2020オリンピック、間もなく閉会式を迎えますね。
今回エクアドルからは48人の選手が15競技に参加しました。

https://twitter.com/ECUADORolimpico/status/1416771097194807303?s=20↑エクアドルオリンピック委員会公式ツイート
↑エクアドルオリンピック委員会公式ツイッターより

そして!そして!
自転車男子ロードレースでリチャル・カラパス(Richard Carapaz)選手が金メダル!
重量挙げ女子76㎏級でネイシ・ダホメス(Neisi Dajomes)選手が金メダル!
重量挙げ女子87kg級でタマラ・サラサル(Tamara Salazar)選手が銀メダル!

上記の選手たちがメダルを獲得する度に大歓喜および大祝福のツイートをいたしました。
それは5年前、前回のリオデジャネイロ五輪の日々を思い出していたから…。

「本当に今オリンピックやってる?」

2016年のリオ五輪当時、私はガラパゴス諸島に住みチャールズ・ダーウィン研究所でボランティアスタッフをしていました。
南米で行われる初のオリンピック、同じ南米のエクアドルも楽しみにしているに違いないと思ったのですが。
これが全然盛り上がってない。人々の会話にオリンピックのオの字も出ない。
開幕しても尚、テレビでチャンネルをまわしてもまわしてもオリンピック関連放送がほとんどない。

あれ?まだ開幕してなかったっけ?と思いネットで日本のニュースサイトを開くと、こちらはほぼオリンピック一色。
きつねにつままれたような気分でした。本当に同じ星で今オリンピックが行われているのだろうか?

オリンピック開始から一週間経ってもこんな調子なので、研究所のボランティア同期のアメリカ人スタッフと「今ってオリンピックやってるんだよね?」と確認し合ってしまいました。
不思議でたまりませんでした。
でもなんだか触れてはいけないような気がして、現地エクアドル人のスタッフや友人らにはオリンピックの話題を出せないでいました。
それから数日後のことです。

「だってエクアドルは…」

当時は月に一度、上司のパティの発案で研究所の所属部署(プロジェクト・ガラパゴス・ベルデ2050)のみんなで出勤前にレストランでモーニングをする定例行事がありました。
そこでついに初めてオリンピックの話題が出たのです!

パティはエクアドル人ですが、このモーニング会のためにスタッフたちの国の五輪メダル獲得数を調べてくれたようで、
「アメリカはさすがメダルの獲得数がものすごいね!」
「日本はどうしてこんなにレスリングが強いの?本当はアキコも強いの?」
とにこやかに話をふってくれました。

今だ、と思い私はついに尋ねました。どうしてエクアドルではオリンピックが話題になっていないの?と。
そこで返ってきた返事は

「だってエクアドルはメダルの可能性がないから…」
「昔、競歩で金メダルと銀メダルをとれたけどそれっきり。もしまたエクアドルがメダルを獲得できたとしたら、その日はきっと永久に国民の祝日になっちゃうよ!」

そう自虐的に笑いとばしていました。
その場にいた他のエクアドル人スタッフも続けて

「もしメダルなんてとれたらその選手の銅像建っちゃうわ!」

と笑っていました。

そうなのか、としんみりしました。
私はそれまで日本にだけ住んでいたから分かりませんでしたが、国によってスポーツやオリンピックへの力の入れ方、アスリートへの支援も違うんですよね。
そしてその年のオリンピック、エクアドルは五輪でメダルを獲得することなく終わりました。

あれは盛大な伏線だったのか

あれから5年。なんとですよ。
今回のオリンピックでエクアドルは金メダルを2つ、銀メダルを1つ、合計3つのメダルを獲得しました!
南米諸国で2位の好成績です!

https://twitter.com/batfisherAKIKO/status/1424309656042754052?s=20

5年前のあの自虐は今大会のための伏線だったとしか思えない大快挙。
国民の祝日3日も増設しちゃいますやん!銅像も3人分作らないといけないですやん!
エクアドル、本当に本当におめでとうございます。
今回のオリンピックは、国をあげて大盛り上がりだそうですね。
前大会時の空気を知っているだけに、私は祝福せずにはいられないのです。

今回、惜しくもメダルに届かなかった入賞選手も4名。
未来への希望にあふれています。
次のパリオリンピックで、エクアドルの選手たちが更に輝きますように。

【パラリンピック後追記】パラリンピックもすごかった!

な、な、なんと。

オリンピックを終えた一か月後、エクアドルはパラリンピックでまたしても歴史的快挙を成し遂げたのです。

https://twitter.com/batfisherAKIKO/status/1431963624826802178?t=Slkg2B8DMzCBi0tV2FRpHw&s=19

https://twitter.com/batfisherAKIKO/status/1433717044420087813?t=ycXE9C3ZxQl-T-dqhz7iSQ&s=19

エクアドルのパラリンピック史上、初めてのメダル獲得!金メダル1つに銅メダル2つ!
現地の友人曰く、この歴史的快挙にエクアドルはオリンピックに続いてお祭り騒ぎだったそうです。
オリンピックに続いてこんな素晴らしい結果が待っているなんて、5年前は誰が想像していたでしょうか?
いやぁ、改めて今大会はエクアドルにとって大きなものになりましたね。すごいな、私まで嬉しいな。
本当に本当におめでとうございます!!

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。