ガラパゴス諸島に住んでいて、不思議でたまらなかったこと

ガラパゴスバットフィッシュを追い求めていたら、図らずもガラパゴス諸島民になることになった私。
というわけで、ガラパゴス諸島のサンタ・クルス島で私はひとり暮らしをしていました。

↓なぜこのような展開になったかはこちらの記事をどうぞ

気付いたら、ガラパゴス諸島民。

ガラパゴスというと、野生生物のサンクチュアリでそれはもう未開の地の極みとイメージされる方も多いですが、電気や水道も通っておりますし、スーパーもあって意外と暮らしやすいのです。
宿泊施設やレストランではWi-Fiだって飛んでます(速くないけど)。

一方でもちろん、野生生物は盛りだくさんです。
路上でウミイグアナやアシカが寝ているのは日常茶飯事すぎて何とも思わなくなってきます。
見慣れて感覚が麻痺してしまいますが、この光景だって十分「不思議でたまらない」ものかもしれません。
しかしこの点に関しては「まあガラパゴスはこういう生態系、環境だから」と納得ができるのです。

今からご紹介するのは、いまだに私の中で「なぜなのだ、解せぬ」と謎のままの3つのミステリー現象でございます…。

目的は何?吊り下がるスニーカー

たびたび目にする不思議なものの代表格。
電線から吊り下がるスニーカー。それも律儀に両足セット。

電線から吊り下がるスニーカー

電線のど真ん中ですよ?
電柱に登って手を伸ばしても、とても届かないような位置に吊るされているんです。
この現象は広く海外で見られるものだそうで。
しかし調べてみても、憶測ばかりで明確な理由はわかっていないようです。

謎が深かったのは、この現場のご近所さんたちをはじめ島民に聞いて回っても、全員が全員「わからない」「自分はやっていない」と話すこと。
狭い島の社会でも理由や誰がやったかが解明されない現象…不思議です。

吊り下がるのはスニーカーだけではなかった

まあ百歩譲って、スニーカーまではどうにか理解するとしましょう。
世界各地で確認されているものだとも言いますし。
しかし、この現象には上級編も存在したのでした…。


電線から吊り下がる何か

 …お分かり頂けましたか。
拡大版で改めてご確認ください。

電線から吊り下がる何か 拡

 何これ。

これはエクアドルでグアバと呼ばれる豆のようなフルーツです。
硬めの莢を開くと、厚めの白い綿のような実に包まれた黒紫色の大きな豆が数粒並んでおり、この白い綿のような部分をはがして食します。
水分が少なめで、まんまるにギュッとまとめたフルーティーな綿毛を食べているかのような食感ですが、その糖度は非常に高く、まるでお菓子のようで現地では大人から子供にまで愛される定番フルーツ。

ちなみに、我々がグアバと聞いて想像するフルーツのことは現地語(スペイン語)でグアヤバと言います。とても紛らわしいですね。

ってそんなことはどうでもいいんですよ。

なぜ食物を電線にぶら下げるんだって話なんですよ。
食べ終わったゴミをふざけて吊るしたのか?と最初は考えましたが、写真をご覧の通り、このグアバ莢が開かれていないのです。
食べてもいないのに、なぜ?
というか、どうやって吊るしたのか?

近所にあったのでほぼ毎日見ていたのですが、ずーっとぶら下がったまま。
永遠に撤去されることはないのです。
「あっ、ここにグアバが吊り下がってるからもうすぐ○○ちゃんの家だな」
って目印になるレベルでした。

意味がわからなすぎたので、これに関しても多くの島民に尋ねましたが、スニーカー現象よろしく「わからない」「自分はやっていない」と皆不思議がっていました。

夜になるとやって来る最大ミステリー

これまで挙げた2つは、「一体誰が」と考えざるをえない現象でした。
しかし、私が最も不思議でたまらなかったのはもはや人為的な現象ではありませんでした。

ガラパゴスで最初に暮らした借家でのことです。
そこは3階建ての小さなアパートで、私は2階に住んでいました。
2階への外階段を上がるには、1階のお宅の前を通過する必要があったのですが…。

それは夜になると現れるのです…こちらがその写真です。

夜になると現れるお方

1階のお宅の玄関ドア前に座り込む、ミズナギドリ…。

ミズナギドリは海鳥なのですが、この家は海辺から徒歩15分は離れた場所です。
「まあ森に営巣する鳥だからね」と言われるかもしれませんが、ここはド住宅街。
いくらガラパゴスといえど、さすがにミズナギドリは人の往来がある場所、ましてや住宅街で見ることはありません。

このミズナギドリは、夜になるとこのお宅の前で1羽で座り込んでいます。
近寄っても全く逃げません。
このお宅の住人が餌付けしているのかと思ったのですが、全くそのようなこともなく…。
そして、朝になるといなくなっているのです。

本当にわけがわかりませんでした。
この家は2か月で引っ越したので、その後も彼が夜な夜な現れているのかは不明です。

もしかして、このミズナギドリが真の大家さん(夜番)だったのかな…?

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。