ガラパゴス諸島で最も空気が読める動物?

ガラパゴス諸島で最も空気が読める動物? アイキャッチ

ガラパゴス諸島、そこは野生生物と人間が非常に近い距離で共存する世界。

…ということは、本ブログや私のツイッターをご愛顧いただいている方には既にお馴染みだと思います。

路上でアシカが寝ていたり、ウミイグアナが日光浴していたり、初めて訪れた人は「えっ!?」と驚いてしまうことが確実の、ひとことで申し上げればDon’t think, feel!!な光景が広がっているのでございます。

私はチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして、ガラパゴス諸島のサンタ・クルス島という島に住んでおりました。
このようになった経緯は以下の記事をご参照ください。

気付いたら、ガラパゴス諸島民。


暮らしてみると、だんだんとこの野生生物が日常風景に溢れていることに驚かなくなってくるのですが、そのうち「そういえば?」と思う点に気付いてくるようになりました。

ここでの生活は色々なものが入ってくる

ガラパゴス諸島に本格的に人間が入植を始めたのは19世紀以降。
人間がいなかった歴史の方が圧倒的に長い諸島です。
そのため、ここの生き物たちはあまり人間を恐れません。
恐れがないためか、人間がいる建物内であろうと気軽に入ってきます。

私が今まで実際に見てきた例は
・バルトラ空港のフードコートにリクイグアナが上陸
・ダーウィン研究所のオフィスで仕事中にフィンチやマネシツグミが毎日のように入ってくる、鳥なのに徒歩で。
・同じくダーウィン研究所のオフィスにガラパゴスヒタキモドキ2羽が揉み合いの大ゲンカをしながら乱入。
・そういえば所長のオフィスにはウミイグアナが入ってきたことがあった。丁度午後の勤務開始時刻だったため「昼休みにランチに出掛けた所長がウミイグアナになって戻ってきた」と秘書が話していた。
…などなど。

もちろん自宅でもこのようなことになります。
洗濯物を取り込もうとドアを開けたまま作業して戻ってくると、堂々とフィンチが家の中で出迎えてくれたり。
ベランダにマネシツグミが数羽でやってきて室内にいる私に窓越しに開けろ開けろといわんばかりの大コールを唱和してきたり。

だけど、普段の生活でとても身近に見かけるあの子に限って、これらのエピソードが無いのです…

そう、路上でどこでも見かけるヨウガントカゲ…

路上をいつもどこでもチョロチョロしているヨウガントカゲ。
小さなボディに地味な体色なので、目立つ存在ではありませんが立派なガラパゴスの固有種のトカゲです。

ヨウガントカゲ

公園や住宅街にだって当たり前のように見かけるこのヨウガントカゲ。
考えてみれば私の家の前にもしょっちゅういたんです。
ダーウィン研究所のオフィスの扉の前を横切っていく光景も何度も見ました。

だけど!
この子は一度たりとも家の中に入ってきたり、オフィスに侵入してきたことがない!

すごく印象的だったのは、ある日大家さんの家に招かれてお茶をしていた時。
大家さんは暑いからと玄関扉を開け放っていましたが、ヨウガントカゲは入口前をチョロチョロと何匹も通っていったものの結局室内に一歩たりとも足を踏み入れることはなかったのです。

この状況、他の生き物だったらホイホイ入ってくるはずなのにです。
どうしてなのでしょう?
あくまでこれは私個人の経験で、そして個人の見解ですが…ヨウガントカゲは「ここは入っていいエリア」という認識をなんとなく持っているように感じます。

このことに気付いてから、私は彼らを「空気が読めるトカゲ」と勝手に呼んでおります。

しかしこんな一面も

まるで「内と外」の概念を持っているかのような、空気が読める思慮深いヨウガントカゲですが、時には遠慮なくパーソナルスペースに侵入することもあります。
その証拠写真がこちら。

ウミイグアナのしっぽに… ウミイグアナのしっぽにくっつくヨウガントカゲ

ウミイグアナのしっぽにぴとっ。

ヨウガントカゲ「室内じゃないからこれはいいのよ!」

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。